みなさんは除湿機を使っていますか?
湿気の多い季節や場所では、除湿機は頼もしい味方です。
しかし、除湿機を使用すると電気代が高くなってしまうと心配する方もいるかもしれません。
現在ご家庭で使っている人もこれから購入を検討している人もこんな悩みを抱えていませんか?
- 除湿機ってどれくらい電気代がかかるの?
- 除湿方式やモデルによる電気代の違いは?
- エアコンの除湿運転との電気代の違いは?
本記事では「除湿機にかかる電気代」について解説していきます。
この記事を読めば、除湿機の正しい使い方と適切な選択をすることができ、大きな電気代節約効果が得られるはずです!
除湿機の電気代
除湿機の消費電力は除湿方式によって大きく異なります。除湿方式は主に3つあり、ハイブリッド式・コンプレッサー式・デシカント式があります。それぞれの詳しい特徴は以下の記事にて説明しているのでよかったら参考に見てみてください。
除湿機の除湿能力
除湿方式による消費電力の比較を見てみましょう。今回はシャープのプラズマクラスター除湿機を参考にそれぞれの方式の消費電力を比較をしました。ちなみに衣類乾燥モードは通常の除湿モードよりもパワフル運転をすることで衣類をすぐに乾燥させるため、電力消費が大きくなっています。
ハイブリッド式 機種:CV-RH140 | コンプレッサー式① 機種:CV-R71 | コンプレッサー式② 機種:CV-R120 | デシカント式 機種:CV-R60 | ||
除湿能力 | 11 L/日 | 6.3 L/日 | 11 L/日 | 5.4 L/日 | |
除湿可能面積 | 14畳 | 8畳 | 14畳 | 7畳 | |
消費電力 | 除湿 | 275 W | 175 W | 265 W | 480 W |
衣類乾燥 | 660 W | 190 W | 275 W | 510 W |
コンプレッサー式①とデシカント式を比較すると、2つはほぼ同じ能力ですが、消費電力はデシカント式の方が約3倍ほど多いことが分かります。
除湿機の電気代を比較
除湿機の電気代は、以下の式で計算できます。
1時間の電気代 = 1時間あたりの消費電力(kWh) × 1kWhあたりの電気料金
1kWhあたりの電気料金は、昨今の電気代の値上げによって1kWhあたり31円(税込)に引き上げられたため、それを参考とした値としています。また、この電力量の単価は実際の電力会社やプランによって異なる場合がありますのでご注意ください。
電気代を算出するに当たっての前提条件として「1日5時間」使っているものと仮定すると・・・
1ヶ月間(30日間)毎日使用したとすると・・・
コンプレッサー式は813円、デシカント式は2232円の電気代がかかる想定となります。
コンプレッサー式なら1ヶ月で800円くらいで済むんですね
エアコンの電気代
除湿機で除湿する場合に比較しなければならないのは、エアコンの除湿能力です。まずはエアコンの除湿にはどのような種類があるのかを確認してみましょう。
エアコンの除湿機能の種類
室内温度を調節する事ができるエアコンですが、最近のエアコンのほとんどには除湿機能も付いており、その除湿機能は主に2種類あります。
①弱冷房除湿
弱冷房除湿は湿度を目標の値まで下げるために微弱な冷房運転を続けるモードです。そのため電力消費は少なくてすみます。基本的にエアコンのリモコンに除湿ボタンがある場合はこの弱冷房除湿運転を指します。要するに湿度を下げて、室温も下げるようにする機能です。ただし、梅雨時などの気温が低く、高い湿度の状態で除湿しようとしても、室温設定が外気温より高い状態だと冷房運転ができないため除湿もできなくなってしまいます。
②再熱除湿
再熱除湿は、エアコンの中で部屋の空気を一旦冷やして除湿し、下がり過ぎた空気を温めて室内に戻しています。湿度をコントロールしつつ、温度もコントロールできるようになっています。要するに湿度は下げるが室温は下げないようにする機能です。しかし、再熱するため弱冷房除湿と比較すると電気代がかかるのがデメリットです。
エアコンの電気代を比較
エアコンの除湿機能別に消費電力を見てみましょう。若干古いデータですが、2009年に東京電力がエアコンの除湿量のデータを公開しています。(エアコンの「冷房」と「除湿」の上手な使い方』について)
冷房 | 弱冷房除湿 | 再熱除湿 | ||
除湿能力 | 2.3 kg/h | 1.1 kg/h | 1.5 kg/h | |
電気代 | 24℃設定時 | 11.0 円/h | 4.1 円/h | 14.9 円/h |
公開されたのは、室温24℃設定時の除湿量とその時の1時間あたりの電気代です。ここで修正しなければならないのはこのときの電気料金は22.86円/kWhで計算されている点です。そのため現在の電気料金である3.1円/kWhに置き換える必要があります。
置き換えると下記のようになります。
冷房 | 弱冷房除湿 | 再熱除湿 | ||
電気代(31円/kWh換算) | 15.9 円/h | 5.7 円/h | 20.9 円/h |
除湿機の運転状況と同じように「1日5時間」使っているものと仮定すると・・・
1ヶ月間(30日間)毎日使用したとすると・・・
冷房は2385円、弱冷房除湿は855円、再熱除湿は3135円の電気代がかかる想定となります。
ただしこのエアコンの電力消費量は、冷房目的ではなく除湿目的であることと、室温を24℃設定にしてあるため、通常の冷房目的でエアコンを使用する場合の電気料金ではないことをご承知ください。
除湿機とエアコンの電気代を比較
1時間あたりの除湿機とエアコンの電気代を比較してみましょう。上から電気代が安い順に並べてみると下記の表のようになります。
除湿方式 | 1時間あたりの電気代 | |
1 | 除湿機(コンプレッサー式) | 27.1 円/h |
2 | エアコン(弱冷房除湿) | 28.5 円/h |
3 | 除湿機(デシカント式) | 74.4 円/h |
4 | エアコン(冷房) | 79.5 円/h |
5 | エアコン(再熱除湿) | 104.5 円/h |
以上の結果からコンプレッサー式の除湿機が最も電気代が安いことが分かりました。
最適な除湿の方法
続いて季節や外気条件においてどの方式が最適かをまとめてみました。
①梅雨 → コンプレッサー式除湿機
梅雨の時期はコンプレッサー式の除湿機の運用が最適なものとなります。エアコンの弱冷房除湿も電気代としてはほとんど変わりませんが、梅雨の時期はそこまで室温が高くならないため、弱冷房除湿を使ってしまうと、必要がないのに室温を下げてしまうことになります。また、再熱除湿は室温を一定に保ち除湿をしますが、電気代がコンプレッサー式の4倍近くとなってしまいます。
②夏季 → コンプレッサー式除湿機 + エアコン(冷房目的)
夏季はコンプレッサー式の除湿機とエアコンの併用が最適なものとなります。エアコンの電気代を算出した際、設定条件が室温24℃で除湿目的で使用していることから、本来の使い方である室温を下げる目的としてエアコンを使えば電気代はぐっと安くなります。そして除湿は除湿機によって行うことで効率的に冷房と除湿が可能です。そして除湿機によって湿度を下げることで体感温度も下がり、エアコンの設定温度も28℃程度に設定しても快適に過ごすことができます。
③冬季 → デシカント式除湿機
冬季はコンプレッサー式の除湿機やエアコンの除湿機能が効果がないため、デシカント式の除湿機を運用することが最適となります。こちらは電気代がコンプレッサー式の3倍近くとなってしまいますが、室温が低い条件で除湿を行おうとするとデシカント式の除湿機が必須となるため、代替はできません。
ハイブリッド式の除湿機は自動でコンプレッサー式とデシカント式を切り替えて、その部屋の環境において最も効率の良い除湿を行ってくれます。
価格が高めなのが難点ですが、一年を通して除湿機を使いたいならハイブリッド式一択です!
これはおすすめ!ハイブリッド式除湿機
さらに電気代を抑えるには電力会社の見直し
電気代をもっと抑えたいと思う方は、電力会社や電気料金プランの見直しを検討してみてください。電力自由化により2016年4月から一般家庭でも電力会社や電気料金プランを自由に選べるようになりました。みなさんの生活形態にあった電力プランに切り替えることで、さらなる電気代の節約をすることができます。
まとめ
今回は、除湿機とエアコンの電気代、及び最適な運用方法について解説しました。
今回の記事をまとめると次の通りです。
- 電気代は除湿機が一番安い
- 梅雨はコンプレッサー式の除湿機
- 夏季はコンプレッサー式の除湿機とエアコンの併用
- 冬季はデシカント式の除湿機
以上がまとめとなります。
また、こちらでは今年2024年7月時点でのおすすめの除湿機を紹介しています。
よろしければぜひ見てみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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