みなさんはエアコン(冷房)を付けていても湿気が気になると感じたことはないですか?
湿度計を確認してみると最初は湿度が下がっているのに、運転を停止した時や部屋の温度がエアコンの設定温度に達したときに、だんだんと湿度が上がっていってしまうという現象があります。
この現象を「湿度戻り」もしくは「湿気戻り」といいます。
本記事では「湿度戻りの原因と対策」について解説していきます。
原因と対策を知り、生活空間をより快適にしましょう!
エアコンの湿度戻りの原因
湿度戻りの原因は、冷房運転により室温がエアコンの設定温度に達すると、家の外にある室外機が運転を停止し、冷房運転が停止します。
ただし、室外機が運転を停止しても室内機は運転を継続しているため、送風運転と同じ状態となります。この状態をサーモオフといいます。
そしてエアコンの内部には熱交換器という空気を冷却する装置があり、そこには水分がたくさん含まれています。
通常の冷房時であればその水分は冷やされて結露したのち、ドレンパンからドレンホースを通じて外へ排水されますが、サーモオフ状態では、その残った水分は送風によって室内に放出されてしまいます。これによって室内の湿度が上がってしまうことを「湿度戻り」といいます。
湿度が高いとどうなるの?
湿度が高いと体感温度が上昇し不快に感じます。なぜかというと汗の蒸発が妨げられるからです。
高湿度の環境では、汗が効果的に蒸発しにくくなります。汗は蒸発する際に熱を奪いますが、湿度が高いと周囲の空気に既に水分がたくさんあるため、汗が空気中に蒸発しにくくなり、体温を下げる効果が低下するためです。ほかにも皮膚のトラブルの発生や、カビや細菌の繁殖、呼吸器の不快感など、様々な弊害があります。
そして湿度は40~60%が最適だと言われているので、この範囲に湿度を収めることが理想です。
これらは以下の記事にて詳しく説明していますので、よかったら参考にしてみてください。
湿度戻りの対策
湿気戻りの対策として、4つの対策を紹介します。
みなさんが簡単にできるようなものなので、ぜひ試してみたください。
エアコンの設定温度を下げる
単純な方法として、エアコンの設定温度を下げることが一番手っ取り早いです。
要はサーモオフ状態にならないようにすれば良いのです。そうすれば冷房運転状態のエアコンでは、内部の水分はドレン排水されるので、室内に湿気が戻ることはありません。
しかし欠点としては、皆さんも感じていると思いますが、設定温度を下げなくてはならないことです。例えば室温を26℃に設定していて温度的には快適だと感じているのに、サーモオフになり湿度戻りが発生したら、そこからまたさらに室温を下げないといけません。
湿度は快適な状態になっても、今度は逆に室温が低く寒いと感じてしまいます。また、電気代のことも考えれば、節電のこの時代にエアコンの設定温度を下げるとなると、効果的な対策と言えるか怪しいところです。
除湿運転にする
エアコンを除湿運転にすることでも湿度戻りを防ぐことができます。エアコンの除湿機能には「弱冷房除湿」と「再熱除湿」があります。(機種によっては「除湿」とだけしか表記されていないものもありますがその場合は「弱冷房除湿」を指すことが多いです。)
「弱冷房除湿」は、冷房よりも効率的に除湿を行う機能であり、冷房が室温を下げることを優先した運転であるならば、弱冷房除湿は湿度を下げることを優先した運転といえます。
ただし、基本的な運転の原理は冷房と変わらないため、弱冷房除湿運転を続けていると室温は必要以上に下がってしまうため注意が必要です。
「再熱除湿」は冷やして除湿された空気を再び温めてから室内に放出するので、冷房運転や弱冷房除湿と違い室温を下げずに除湿することが可能です。
欠点としては、そもそもこの機能がエアコンに搭載されていなかったり、再び温めなおすということは、その分余計なエネルギーを使うので電気代が高くなってしまいます。
設定風量を弱くする
送風量を弱くすることでも、多少ではありますが湿度戻りを防ぐことができます。風量を抑えて冷房運転することで、設定温度まで下げる時間を長くとることができます。そうすることでサーモオフの状態に頻繁に切り替わることがなくなります。
原理としては弱冷房除湿に似ているやり方です。除湿機能がないエアコンを使用している場合にはこちらの方法がおすすめです。
欠点としては、元も子もないですが設定温度まで室温が下がるのに時間がかかることです。帰宅して室温をすぐに下げたいのに下げられないため、扇風機やサーキュレーターを使用することで、少しでも体感温度を下げるようにしなければなりません。
エアコンを買い替える
最近のエアコンは高性能な機種が多くあり、様々な技術により従来よりも効率的に除湿が行える機能が搭載されていたり、再熱除湿を行っても電気代をある程度を抑えることができる機種が発売されています。
ちょうどエアコンを買い替えようと考えている方は、買い替えの際に除湿機能についても考慮して購入することをおすすめします。
湿度戻り対策には除湿機がおすすめ!
ここまで湿度戻りの対策を4つ紹介しましたが、もう1つ私が最もおすすめする対策があります。
それは除湿機を使うことです!
正直に言って先ほど紹介した4つの対策は、どれも快適な室内空間を作り出すうえで、デメリットが大きいと感じます。強いて言えばエアコンの再熱除湿機能を使用することが一番の湿度戻り対策であると思います。しかし先ほども言ったように再熱除湿はエネルギーの無駄が大きく、電気代が高くなってしまうことがデメリットとしてあります。
そこで、除湿機であればより効率的に、さらに省エネルギーで湿度戻りの対策をすることができます。
理由としては2つあります。
除湿に特化した製品
除湿機は除湿をするために特化した製品のため、エアコンに比べて除湿する効率がとても高いです。
当然エアコンがサーモオフ状態になっても変わらず除湿をすることができるので、エアコンは室内の温度を下げる役割。除湿機は室内の湿度を下げる役割として、それぞれが最も効率の良い状態で運転できるからです。
また、除湿機の種類によっては一年中除湿をすることができる機種や、衣類乾燥に特化した機種もあるため、エアコンにはない除湿機能がとても便利です。
電気代が再熱除湿より安い
理由の1つ目でも言った通り、除湿機は除湿専用の製品であるため、効率よく運転できるということは、電気代も抑えることができるということです。
以下の記事で、除湿機の電気代について、再熱除湿の時と比較した電気代も載せていますので、もしよければ見てみてください。
要約すると除湿機を使用した場合のほうが再熱除湿をした場合よりも、電気代を約1/4にすることができる結果となっています。
電気代も安く、さらに効率よく除湿できるので最適解ですね!
欠点を上げるとすれば、別途、購入費がかかることと、設置スペースを取られることがあげられます。
この欠点を踏まえても、効率よく湿度戻りを防ぎたいと感じたならば、除湿機の使用をおすすめします。
おすすめ除湿機
湿度戻り対策にもなるおすすめの除湿機を紹介します。
①シャープ コンプレッサー式 衣類乾燥除湿機
シャープの除湿機はプラズマクラスターの空気清浄機能が搭載されていますが、価格もそこまで高くなく、お買い求めやすいモデルとなっています。
②コロナ コンプレッサー式 衣類乾燥除湿機
コロナは除湿機のラインナップが多く、低価格なモデルや、消費電力の少ないモデルなど、特に高評価の高いメーカーとなっています。
③パナソニック エコ・ハイブリッド式 衣類乾燥除湿機
パナソニックは新しい除湿方式であるエコ・ハイブリッド方式を開発し、本体の価格は少し高価ですが、他には無い省エネ性能なので、電気代が圧倒的に安くなります!
まとめ
今回は、エアコンの湿度戻りの原因と対策について解説しました。
今回の記事をまとめると次の通りです。
- 湿度戻りはエアコンのサーモオフが原因
- 対策は5つあるが、除湿機を使用することがおすすめ
以上がまとめとなります。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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